コレジャナイブログ

かわさきロボット競技大会、通称かわロボについて情報の交流を目的として書きます。

コレジャナイをこれじゃなくなくするためのコレジャナイザーの行く末はコレダーになるのだろうか

いまいちロボットをどういう方向で作っていこうか悩み中なので、過去のマシンを振り返ってみようかと。
「自分たちがどこから来たか知ることで、次にどこへ行けばいいかがわかる」とは自分の好きなセリフの一つです。



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初代コレジャナイザー
左右に分かれていている特徴的なボディーを持つ機体
さらに間をΦ55程のアルミパイプで繋いでおり、それを軸に左右の機体がねじれるように回転することによって脚の4点設置を可能にしている。電装系はパイプの中に収納している。
脚は120°位相ヘッケンを4脚。アームはIG系100:1ギヤヘッドを直で出力しているものを左右に一つづつで左右独立したクランクアームになっている。
実はNHKに映った。

機体コンセプトはアームで体勢を崩した相手を押し出すという簡単なもの。そのためにまず大型にし、頭のひねくれた4点設置用のボディーを思いつく。そこに機体構成上左右独立のアームを設置。これに関しては当時よく動画を観ていた某やまだ○○さんの影響もある。
転倒復帰はできないものの、片足までなら持ち上げられてもいなせる粘り強さがあった。
一応後ろ足にサスペンションがついていたが、機体の構造的にあまり効果を感じなかった。

今にして思えばポテンシャルは高かったように思えるが、それを潰して余りある機械的な欠点が存在した。
まず脚はレバーからピンまでポリカで作られていて耐久性が異常に低かった。ピンは削りだしでレバーのパーツと一体で作られていたが、理由は「パーツが減る」の一点だけだった。この頃から”パーツ点数削減至上主義”の度が過ぎていた事は今にしてわかる。一説には一回まだ出来に撫でられただけで脚が2脚持っていかれたとかなんとか。前脚のカバーは回転シールドが当たらないようにするためのものである。
さらにアームはギヤヘッドの軸にクランクをM4イモネジで止めていたが、トルクに耐えきれずイモネジが滑って軸を削っていた。これによってアームを回しても相手が持ち上がらなかった。しかし手で回しても摩擦によって普通に回るため、この問題にはシーズンが終わるまで気が付かなかった。

ご縁があるのかまだ出来の人に1シーズン蹂躙され続けズタズタになっているのだが、実は余裕があれば作り直したいくらい気に入っているマシンでもある。





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2代目コレジャナイザー
小型のショートロッド機でアームは左右独立で可動。カウンターはスタート時折り畳み、脚のギヤと連動して展開する機構になっている。ギヤ比は170:1程。
脚は120°位相のスライダヘッケン。
モーターは380をアームに2個づつと脚に1個づつで計6個。
マシン全重量は3150gと軽量だった。


初代とは違い作りやすそうという理由で小型になったコレジャナイザー。本当はクランクアームになる予定だったが日の出杯に間に合わせようとアームを使い回したかったためショートロッドになった。日の出杯の時点では左右独立はしていなかったが試合後「アーム上げたら無防備じゃーん」と気づいて独立になった。独立にすることによって防御と攻撃が同時に可能になったが、当然使いづらいのでアームの対面操作はほぼ不可能であった。
脚機構はスライダヘッケンに変更。理由はパーツが減るという噂を聞いたのと面白そうだから。動かすのに試作の脚を5回ほど作っては絶望の日々を過ごした結果パーツ点数をほぼ最少で動かすことに成功した。脚もカムもポリカという事件になっているが今まで作った脚では一番性能がいい。この年シリコンスプレー教に入信した。

小型で展開型のカウンターや左右独立のアームなど面白いところはあったが、故障率の高さが目についた機体だった。まずフルポリカのボディーは軽くて強度もあるが、たわむためアームの力が逃げたり、たわんだことによってギヤが外れたり(これに関してはギヤの軸が短すぎたせいもあるが)という問題が発生した。この年の学祭回りで「コレジャナイはいつも片腕ないジャナイか!」と言われてた。
重量は日の出杯時点で3000gだったので左右独立のためギヤボを増やしてかなり増量するかと思いきや、ギヤボとモーター追加したついでに肉抜き等ダイエットを施した結果まさかの3150gにしかならなかった。そのため吹っ飛びやすく重心も高くなってしまった。これは1年操縦してかなりのハンデと感じたため翌年以降は過剰に重心を下げようとしだすことになった。
その他カウンターが邪魔で走破性が悪かったりアームの可動範囲が90°くらいしかなかったり足裏にゴムと間違えて放熱材を貼っていたりと全体的に残念ポイントが多かった。

しかし設計として色々冒険した結果成功したことも多数あったので、次に繋がった機体だと思う。






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3代目コレジャナイザー
先代と同じ左右独立のロッドアームで、長さは528㎜とロングでもない長いショートロッドといったあたり。ギヤ比は250:1程でこの長さには若干遅いと感じた。
脚も同じ120°位相のスライダヘッケン。
モーターは380をアームに3個づつと脚に1個づつで計8個。
重量は3510gほどでオーバーしていたため本大会では後ろの脚を1枚外していた。
製作日数は驚異の5日。

突然のフルメタル化によって本大会当日の朝すれ違う人みんなから「なんだコレジャナイ!」と良いリアクションをいただいたコレジャナイザー。先代のコレジャナイザーを大型化(といっても幅300程度の中型)とアームを伸ばした機体。さらにボディーの下板構造を導入したため尋常じゃない低重心になっている。(立ちスタがほぼ直立)
使用するCNCの事情で製作日数が5日しかとれなかったため徹底的な簡素化を施し作りやすい設計になっている。マシンの要素的に最少な作りを目指したため、これ以上のパーツ点数削減は不可能というラインから始め、動作に安定性を付与するパーツやメンテ性を考えた分割化などを追加して設計している。「雑でも動く」がコンセプト。

アームは「ロングロッドにリーチで勝負は挑まないけど、シールドに脇から刺せるくらいのリーチ」という設定。この長さにまでするとショートロッドの時にあまり感じなかった左右独立のメリットが感じられるようになってくる。アームが2本あるだけで戦術の幅が相当広がるのは長くして気づいた。主な戦い方は相手に片方刺した後優しく抱きしめるように場外へ導くというもの。というかこのロッドの長さだと転がしても決定打になることがほぼない。カウンターは長すぎて邪魔だったので後で8㎝程短く切った。
脚は先代同様スライダへッケンだが、6㎜のポリカから3㎜のYH75に変更している。これは寸法的にパーツ点数を減らしやすかったからであるが、後の災いである。

パーツ点数の少なさは今の自分でも真似できない(したくない)芸当が盛り込まれている。脚のボディーはt4のYH75を1枚だったり伝達ギヤは片持ちだったり。しかし悪魔に魂を売っただけの成果もあり、脚に使っているスペーサーは12㎜に0.5㎜のワッシャーをかませているだけで幅が薄く邪魔にならないので、レイアウトには一切困らなかった。(後日そこまでのスペース削減はいらないとの結論が出た)
パーツ点数が少ないため動作性は良かったが、スプレーで塗装したとたんに脚が渋くなって慌てて剥がしたりしたのはいい思い出。
アームも基本は大丈夫だったが、振り切ってロックしたときに2段目に使っていたLS0.8が破断するという問題があった。防止策としてポリカでクッションのようなものを作ってから症状はなくなったため、この経験から今年のマシンにもアームのリミットにクッションを配置してある。しかしそれまではしょっちゅうアームがどっちかもげていたため「コレジャナイザーは片腕になってからが本番なんだ」と言われていた。実際予備部品が乗っかっていると思うと気が楽なのは確かである。
あとの問題としてはアームの展開用のバネがよく吹っ飛んでいたが、これは妖怪バネ飛ばしのせいにしていたので原因はしばらく究明されなかった。原因がわかった時にはシーズンが終わっていたというのは鉄板。
余談だが、アームを一本外してもう一本を中央に配置してみたがとんでもない弱さであったので、このマシンは2本あってこそなんだと実感した。当然2本あると操縦が難しいのは言うまでもないが、想定外の使い方をする方が結果は出なかった。

雑さ極まれりなマシンだが、基本的な機構はこのマシンで完成したので今後しばらくのベースになるであろう機体。



続くかも